【税理士試験/簿記論】基礎編㉖ 期末商品の評価(3:商品評価損の計上)

税理士試験シリーズ「簿記論」。

第26回は、期末における商品評価損の計上について確認します。

前回記事で確認した「棚卸減耗」の処理とセットで覚えておきましょう!

この記事でわかること

商品評価損とは

棚卸資産は、取得原価を帳簿価額とするのが原則。

ただし、期末において棚卸資産の価値が下がっているときには

「商品評価損」を費用計上して、帳簿価額を減額する処理を行ないます。

商品評価損の計算のしかた

商品評価損の額は、帳簿価額と「正味売却価額」との差額です。

「正味売却価額」とは、期末時点での売価(時価)から見積販売直接経費を差し引いた金額のこと。

具体的には

(期末における棚卸資産の実地棚卸数量) × (帳簿価額と正味売却価額との差額

で商品評価損の金額を計算します。

帳簿棚卸数量ではなく、実地棚卸数量を基に計算するという点が大切。

すなわち、期末における棚卸減耗費と商品評価損の処理は、

棚卸減耗費を先に・商品評価損を後に

行なうことがポイントです。

商品評価損の仕訳のしかた

たとえば、取得原価200円の商品1個に一部破損があるため

期末における正味売却価額が150円と見積もられる場合、

決算整理仕訳で繰越商品を計上する処理をしたあとに、次の仕訳を行ないます。

(仕訳例)

借 方貸 方
商品評価損
50円
繰越商品
50円

※「商品評価損益」勘定を使うこともあります。

原価処理をする場合の仕訳のしかた

商品評価損は、売上原価(=仕入)に含めて処理する場合があります。

この場合、商品評価損を計上したあと、商品評価損を仕入勘定に振り替える仕訳をします。

たとえば、上の仕訳例のケースでは

借 方貸 方
仕 入
50円
商品評価損
50円

という仕訳を追加して、商品評価損の金額を仕入に含めることになります。

翌期首の洗替処理とは

期末に商品評価損を計上した場合、

翌期首に商品評価損を戻し入れる方法(洗替法)

翌期首に商品評価損を戻し入れない方法(切放法)

があります。

どちらを選択するかは、簿記論の試験では、問題文の指示に従いましょう。

洗替法による洗替処理をする場合の仕訳は、次のように行ないます。

(仕訳例)

借 方貸 方
繰越商品
50円
商品評価損戻入額
50円

※「商品評価損益」勘定を使うこともあります。

おわりに

いかがでしたか?

商品評価損の処理については、棚卸減耗の論点とあわせて、

計算問題をときどき(忘れたころに)解いておくと安心です。

では、次回もどうぞご覧くださいね。

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