【税理士試験/簿記論】基礎編㉕ 期末商品の評価(2:棚卸減耗と棚卸減耗費)

税理士試験シリーズ「簿記論」。

第25回は、棚卸減耗と棚卸減耗費の処理を確認します。

簿記検定などで学習した経験がある方にとっては、おなじみの論点。

初めて学習に取りかかる方にとっても、難しい内容はありません。

さくっと進んでいきましょう!

この記事でわかること

棚卸減耗とは

棚卸減耗とは、実地棚卸数量が帳簿棚卸数量より少なくなっている状態をいいます。

期末において棚卸減耗が生じているときは、

少なくなっている部分の金額を、「棚卸減耗費」の勘定科目で費用に計上します。

棚卸減耗費の計算のしかた

棚卸減耗費に計上する金額は

期末における商品単価(払出単価) × 棚卸減耗の数量(減った数)

で計算します。

払出単価の計算方法は前回の記事で紹介していますので、

ピンと来ないという方は、あわせて確認しておきましょう!

先入先出法では、期末において、払出単価が複数ある場合があります。

この場合は、先に仕入れた商品から順に棚卸減耗が生じたと考えて、棚卸減耗費の計算をします。

たとえば期末において

帳簿棚卸数量:4個(11月仕入分2個、12月仕入分2個)

実地棚卸数量:1個

である場合、期末に残っているのは、12月仕入分の1個であると考えます。

(棚卸減耗によって、11月仕入分2個と12月仕入分1個が減少)

棚卸減耗の仕訳のしかた

棚卸減耗が生じているときは、

期末の決算整理仕訳において「繰越商品」(=帳簿棚卸高)を計上する仕訳のあとに

「棚卸減耗費」(費用)を計上して「繰越商品」を減少させる仕訳をします。

(仕訳例)帳簿棚卸数量は400円(100円×4個)、実地棚卸数量は300円(100円×3個)であったとき

借 方貸 方
繰越商品
400円
仕 入
400円
棚卸減耗費
100円
繰越商品
100円

(仕訳の内容)

帳簿棚卸高は400円であるため、まず繰越商品400円を計上します。

次に、棚卸減耗によって100円分の商品が減少しているため、100円の棚卸減耗費を計上します。

この仕訳により、繰越商品の残高は300円となり、実地棚卸高と一致します。

原価処理をする場合の仕訳のしかた

棚卸減耗費は、売上原価(=仕入)に含めて処理する場合があります。

この場合、棚卸減耗費を計上したあと、棚卸減耗費を仕入勘定に振り替える仕訳をします。

たとえば、上の仕訳例のケースでは

借 方貸 方
仕 入
100円
棚卸減耗費
100円

という仕訳を追加して、棚卸減耗費の金額を仕入に含めることになります。

おわりに

いかがでしたか?

次回は、商品評価損を取り上げます。

一緒に頑張っていきましょう!

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