【税理士試験/簿記論】基礎編⑱ 固定資産の減損会計

税理士試験シリーズ「簿記論」!

第18回は、固定資産の減損会計の処理を確認します。

一度理解してしまえば、忘れにくい論点です。

確実に押さえていきましょう!

この記事でわかること

減損会計とは

固定資産に減損が生じているときに、

その固定資産の帳簿価額を減額する会計処理をいいます。

減損損失の認識

減損とは、固定資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった状態をいいます。

減損が生じているかどうかの判断は、個々の「資産」または「資産グループ」ごとに行ないます。

減損の兆候がある資産(または資産グループ)について

資産(または資産グループ)から得られる割引将来キャッシュ・フローの総額 が

資産(または資産グループ)の帳簿価額 を

下回っている場合に、減損損失を認識します。

減損損失の処理

減損損失を認識した資産(または資産グループ)の

帳簿価額を回収可能価額まで減額し、

減額した額を当期の損失に計上します。

(仕訳例)

借 方貸 方
減損損失
〇〇円
機 械
〇〇円

回収可能価額とは

資産(または資産グループ)の回収可能価額とは、

正味売却価額使用価値いずれか高い金額をいいます。

正味売却価額は、資産(または資産グループ)の時価から処分費用(見込額)を引いた額のこと。

使用価値とは、資産(または資産グループ)から得られる将来キャッシュ・フロー※の現在価値(=割引)のことです。

※ 将来キャッシュ・フローは、「使用により生じる利益の額」「使用後の処分により得られる額」を足して求めます。

注意点(資産グループの減損処理の場合)

資産グループに対して減損損失の処理をしたときは、

減損損失の額を合理的な方法でそれぞれの資産に配分します。(比例配分など)

ただし、構成資産のなかに正味売却価額が容易に把握できる資産があるとき

その資産の帳簿価額が正味売却資産を下回らないように配分します。

共用資産の減損損失

共用資産とは

共用資産とは、複数の資産(または資産グループ)の将来キャッシュ・フローに貢献する資産のこと。

具体的には、本社の建物などが該当します。

共用資産の減損処理の方法

共用資産の減損処理の方法には、

資産をグルーピングする際に

①共用資産を含むより大きな単位でグルーピングする方法(原則)

②共用資産の帳簿価額を個々の資産(または資産グループ)に配分する方法(容認)

の2つがあります。

①の方法では

通常の資産(または資産グループ)の減損損失を計算したあとに

より大きな単位での減損損失を計算し、

その差額を、共用資産の減損損失として計上します。

ただし、その差額による処理をすると共用資産の正味売却資産を下回ることが明らかなときは、

超過分を個々の資産(または資産グループ)に配分します。

「のれん」の減損損失

「のれん」の減損損失は、共用資産の減損損失の処理と同様に行ないます。

すなわち、通常の資産(または資産グループ)の減損損失を計算したあとに

「のれん」を含むより大きな単位での減損損失を計算し、

その差額を、「のれん」の減損損失として計上します。

差額が「のれん」の帳簿を上回っているときは、

のれんの帳簿価額をゼロとして

超過分は個々の資産(または資産グループ)に配分します。

おわりに

いかがでしたか?

覚えることは少ないので、少し問題を解いてみて、引っ掛かりなく解けるようなら

どんどん先に進んでしまいましょう。

次回もご活用いただけたらうれしいです~。

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