【税理士試験/簿記論】基礎編⑩ 有形固定資産(3:個別論点)

税理士試験シリーズ「簿記論」、

第10回は、有形固定資産に関する個別論点を取り上げます。

複雑な内容はありませんので、気軽に確認していきましょう。

それでは、始めましょう!

この記事でわかること

減価償却の仕訳の方法(間接控除法・直接控除法)

間接控除法による仕訳は、次のとおりです。

借 方貸 方
減価償却費
××円
減価償却累計額
××円

直接控除法による仕訳は、次のとおりです。

借 方貸 方
減価償却費
××円
建物(※)
××円

(※)建物の減価償却の例。有形固定資産の種類に応じて、それぞれの勘定科目を使用します。

有形固定資産を売却したときの処理

売却価額と帳簿価額との差額を

「有形固定資産売却益」または「有形固定資産売却損」の勘定科目で損益に計上します。

有形固定資産を除却したときの処理

除却したときの帳簿価額を

「有形固定資産除却損」または「有形固定資産廃棄損」の勘定科目で損失計上します。

除却した有形固定資産をのちに下取りなどで売却する予定のときは、

見込み売却価額で「貯蔵品」または「除却固定資産」の勘定科目に計上し、

除却前の帳簿価額との差額を「有形固定資産除却損」の勘定科目で計上します。

有形固定資産が焼失したときの処理

火災保険に入っていないときの処理

火災があったときの帳簿価額で「火災損失」の勘定科目に計上します。

取壊し費などの付随費用は、火災損失勘定に含めて処理します。

(仕訳例)建物取得価額1,000,000円、期首における減価償却累計額550,000円、火災発生までの当期の減価償却費50,000円の場合

借 方貸 方
減価償却費
50,000円


建 物
1,000,000円
減価償却累計額
550,000円
火災損失
400,000円

火災保険に入っているときの処理

火災発生したとき(保険金の額は未確定)

保険金の額が確定するまでは、「保険未決算」の勘定科目で処理しておきます。

(仕訳例)建物取得価額1,000,000円、期首における減価償却累計額550,000円、火災発生までの当期の減価償却費50,000円の場合

借 方貸 方
減価償却費
50,000円


建 物
1,000,000円
減価償却累計額
550,000円
保険未決算
400,000円

保険契約額が火災発生時の帳簿価額より少ない場合(上の例では、40万円より少ない場合)は、

保険契約額を保険未決算勘定に計上し、

帳簿価額と保険契約額との差額は、火災損失勘定に計上します。

保険金の額が確定したとき

保険金額を未収金に計上します。

火災発生時に計上した「保険未決算」勘定との差額を、

「保険差益」または「火災損失」勘定に計上します。

有形固定資産を買い換えたときの処理

① 買換えまで使用していた資産の売却(下取り)

② 新たな資産の取得

の2つの取引を同時に行なったものとして仕訳をします。

買換えまで使用していた資産の下取り価額が適正価額よりも高いときは、

その差額は新たな資産の値引きを受けたものとして処理します。

(つまり、新たに取得した資産の取得価額を減額)

おわりに

いかがでしたか?

有形固定資産の買換えについては

新たに覚えることはないのですが、計算がごちゃつくことがあるので

練習問題を何問かやっておくと安心です。

次回は、資本的支出と収益的支出の処理を取り上げます!

ぜひご覧くださいね~!

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