税理士試験シリーズ「簿記論」!
このシリーズでは、税理士試験の「簿記論」で押さえておきたい内容を
「できる限り簡潔に」お伝えしていきます。
今回は、第2回目として「手形」の処理を取り上げます。
「簡潔に」を追求するメリットは、
重要な論点を何度も見返すことができ、知識が身に付く・定着すること。
それでは、さっそく確認していきましょう!
受取手形が不渡りになったときの処理
受取手形が不渡りになったときは、「受取手形」勘定から「不渡手形」勘定へ振り替えます。
借 方 | 貸 方 |
不渡手形 ××円 | 受取手形 ××円 |
受取手形を裏書譲渡したときの処理
受取手形を裏書譲渡したときは、保証債務が発生します。
(仕訳例:受取手形10,000円を9,500円で割り引き、額面の1%で保証債務を認識する場合)
借 方 | 貸 方 |
当座預金 9,500円 | 受取手形 10,000円 |
手形売却損 500円 | |
保証債務費用 100円 | 保証債務 100円 |
裏書譲渡した手形が決済されたときは、保証債務取崩益を計上し、保証債務を取り崩します。
(仕訳例:上記の手形が決済された場合)
借 方 | 貸 方 |
保証債務 100円 | 保証債務取崩益 100円 |
裏書譲渡した手形が不渡りになったときの処理
裏書譲渡した手形が不渡りになったときは、手形を買い戻します。
あわせて、保証債務取崩益を計上し、保証債務を取り崩します。
(仕訳例:上記の手形が不渡りとなり、買い戻した場合)
借 方 | 貸 方 |
不渡手形 10,000円 | 当座預金 10,000円 |
保証債務 100円 | 保証債務取崩益 100円 |
為替手形の処理
為替手形においては、
振出人=「手形を振り出した人」
名宛人=手形を引き受ける人
=「お金を払う人」
指図人=手形を受け取る人
=「お金を受け取る人」です。
名宛人の処理
為替手形の名宛人は、支払手形の増加として処理します。
また、自分を名宛人として振り出した為替手形を「自己宛為替手形」といいます。
指図人の処理
為替手形の指図人は、受取手形の増加として処理します。
また、自分を指図人として振り出した為替手形を「自己受為替手形」といいます。
営業外手形とは
固定資産や有価証券などの売買によって、受取手形・支払手形が生じたときは、
通常の営業活動で生じた手形とは区別して、
「営業外受取手形」勘定または「営業外支払手形」勘定で処理します。
金融手形とは
貸付の担保として手形を受け取ったり、借入の担保として手形を差し入れたりしたときの
貸付金・借入金は、
「手形貸付金」勘定または「手形借入金」勘定で処理します。
おわりに
いかがでしたか?
簿記の学習で大切なことは、なんといっても「続ける」こと。
がんばりすぎない程度に、こつこつ続けていきましょう~。
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